社会的意思決定論(2011年度夏学期)


講義基礎情報
開講学科:社会基盤学科

場所:工学部1号館13号講義室

講義担当者:加藤浩徳(kato@civil.t.u-tokyo.ac.jp)

開講日時:金曜2限(10:15〜11:45)


講義のねらい

社会基盤施設の多くは,公共財としての特性を持つ財である.そのため,その供給に関わる社会的意思決定が本質的に重要となる.本講義では,集合的選択に関わる基礎理論を理解し,その社会基盤に関わる意思決定問題への示唆を学ぶことを目的とする.


講義内容(予定)

第1回(5/13) イントロダクション
0.イントロダクション
 (1)社会的意思決定論の視座
 (2)決め方の論理
第2回(5/20) 集合的意思決定論の基礎
1.公共財
2.直接民主主義下における意思決定ルール
3.単純多数決・全員一致と最適ルール

第3回(5/27) 公共財の効率供給
4.全員一致ルールと効率性の達成
 (1)パレート効率性
 (2)公共財の効率的供給の条件
 (3)全員一致ルールによるパレート効率性達成
 (4)リンダール均衡 

第4回(6/3) アローの不可能性定理
5.社会的厚生関数とアローの不可能性定理
 (1)社会的厚生関数
 (2)アローの不可能性定理 

第5回(6/10) 多数決の意義と問題(1)
6.多数決の意義と問題点
 (1)単純多数決の長所と短所
 (2)メイの定理
 (3)代替的な集合的選択ルール 

第6回(6/17) 多数決の意義と問題(2)

 (4)投票のパラドックス
 (5)中位投票者の定理 

第7回(6/24) 公正論
7.公正と社会契約
 (1)ロールズの正義論
 (2)功利主義的契約の理論


成績評価

出席はとらない.最終回に出す予定のレポート課題により評価.


履修要件

社会基盤学科にて2年冬学期に提供される「基礎経済学」(加藤・石倉)と3・4年夏学期に提供される「評価論」(加藤・石倉)の履修を前提とする.


教科書
デニス C.ミュラー「公共選択論」(有斐閣,2003)を中心に講義を進める.

参考書

参考文献リストを参照のこと.


連絡先

当講義に関する質問等がある場合には,加藤浩徳准教授(kato@civil.t.u-tokyo.ac.jp)まで連絡すること.